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キルコリ・トーストGilgeori Toast レシピ

길거리 토스트キルコリ・トストゥ

種類
朝食
地域
韓国・アジア(ソウル)
分量
2人分(2個)
難しさ
やさしい
公開
木のテーブルのステンレスの皿に、半分に切って重ねたキルコリ・トースト。バターで焼いた薄い食パンに、キャベツ・にんじん・ねぎ入りの厚い卵焼き、ハム、スライスチーズ、ケチャップがはさまっている。上の半分はアルミホイルに包まれ、手前の半分はひと口かじってある。奥に紙コップのコーヒー

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キルコリ・トーストは、キャベツやにんじん、ねぎをたっぷり混ぜて四角く焼いた卵焼きを、バターで焼いた食パンにはさんだ韓国のトーストです。仕上げに砂糖を振り、ケチャップをかけます。甘くてしょっぱい、韓国の屋台ならではの味です。

ソウルでは、出勤前の会社員が道ばたの屋台で買って食べる朝ごはんとして親しまれてきました。材料はどれも日本のスーパーでそろい、フライパンひとつで作れます。

キルコリ・トーストとは

韓国語では「길거리 토스트」と書きます。길거리(キルコリ)は「通り、道ばた」という意味で、そのまま訳すと「路上のトースト」です。屋台で売られてきたことから、この名前で呼ばれています。

出勤前の会社員の朝ごはん

韓国の料理家マンチ(Maangchi)は、ソウルの大学に通っていた頃、歩道のテントの屋台でこのトーストを買って朝ごはんにしていたと書いています。屋台の人は鉄板でマーガリンを溶かし、野菜入りの卵焼きを焼いて、同じ鉄板でパンを焼いていました。仕上げは白い砂糖とケチャップで、甘いインスタントコーヒーと一緒に出されたそうです。

大邱(テグ)の新聞「毎日新聞(メイル新聞)」(2011年)は、ソウルの中心部、武橋洞(ムギョドン)の屋台「石峰(ソッポン)トースト」を紹介しています。店主のキム・ソッポンさんは、会社員の朝ごはんのためにトーストを売り始めました。出勤時間ごろの午前中の5時間ほどで、何百人もの会社員がここで朝食をとっていたといいます。記事は、のちに全国に数百のチェーン店ができ、日本の旅行ガイドブックにも「武橋洞の名物」として載ったと伝えています。

イサック・トーストと店のトースト

トーストのチェーン店では、イサック・トーストがよく知られています。2025年の韓国の報道によると、創業者のキム・ハギョンさんが1995年に3坪ほどの小さな店から始めました。CBSノーカットニュースは、最初の店を忠清北道・清州(チョンジュ)の清州大学の前に開いたこと、ソースを塗ればもっとおいしくなりそうだという学生のひと言をきっかけに、半年かけて独自のソースを作ったことを伝えています(経済誌のコリア・ビジネス・レビューは、最初の店を「露店」と書いています)。2025年の報道では、全国に900店あまりあるとされています。

チェーン店や専門店では、ハムやチーズを重ねたり、店独自のソースを塗ったりします。この記事では、野菜入りの卵焼きに砂糖とケチャップという屋台の作り方を土台に、ハムとチーズをはさみます。

甘じょっぱい味の組み立て

キルコリ・トーストの味の決め手は、塩をした卵焼きとハムの塩気に、砂糖の甘さとケチャップの酸味を重ねることです。この記事のために読んだ韓国のレシピには、どれも仕上げの砂糖が出てきます。ただし「好みで」としたものや、いちごジャムを塗らないときに振るとしたものもあります。量はマンチが1個に小さじ2、韓国の大手レシピサイト「万個のレシピ(만개의레시피)」に投稿されたレシピでは小さじ1〜大さじ1と、量に幅があります。この記事では、マンチと同じ小さじ2にしています。

日本の食パンとの厚さの違い

韓国の食パンは、日本のものより薄く切るのが普通です。韓国のウィキ「ザ・ウィキ」は、日本で食事用に食べる食パンの厚さはおおむね20〜24mmで、韓国で売られているサンドイッチ用の食パンの2倍はあると説明しています。単純に半分にすると10〜12mmほどですが、これはこの記事での目安で、ザ・ウィキが韓国の食パンの厚さを書いているわけではありません。

キルコリ・トーストは、厚い卵焼きを2枚のパンではさむので、パンが厚いとパンばかりの食感になります。日本で作るなら、8枚切り(約15mm)か10枚切り(約12mm)を使います。6枚切り(約20mm)だと、パンの厚みが目立ちます。

キルコリ・トーストのレシピ:材料(2人分(2個))

準備 15分調理 25分難しさ やさしい

野菜入りの卵焼き

  • 全卵3個(Mサイズ・殻なし約150g)
  • キャベツ150g(大きめの葉3枚)
  • にんじん30g
  • 長ねぎ(青い部分も使える)30g
  • 塩2g(小さじ1/3)
  • 有塩バター(Amazon|楽天)10g

パンと仕上げ

  • 食パン(8枚切り(厚さ約15mm)か10枚切り(約12mm))4枚
  • 有塩バター(Amazon|楽天)20g
  • スライスチーズ2枚(約36g)
  • ロースハム(薄切り)(楽天)2枚(約20g)
  • グラニュー糖(上白糖でもよい)(Amazon|楽天)16g(小さじ4)
  • トマトケチャップ(Amazon|楽天)34g(大さじ2)

道具

作り方

  1. 野菜を切る

    キャベツは芯を除いて2mm幅のせん切りにする。にんじんも2mm幅のせん切りにする。長ねぎは縦半分に切ってから、2mm幅の斜め薄切りにする。

  2. 卵液と野菜を合わせる

    ボウルに卵3個を割りほぐし、塩2gを加えて混ぜる。焼く直前に切った野菜をすべて加え、卵が全体にからむまでよく混ぜる。塩をした野菜は時間がたつと水が出るので、混ぜたらすぐに焼く。

  3. 卵焼きを焼く(1枚目)

    フライパンを中火で温め、バター5gを溶かす。泡が落ち着いたら卵と野菜の半量を入れ、フライ返しで食パンよりひとまわり大きい四角(12〜13cm角、厚さ約1.5cm)に整える。中火で2〜3分、縁が固まり、底にきつね色の焼き色がつくまで焼く。

  4. 裏返して焼き上げる

    裏返し、フライ返しで軽く押さえながら中火で2〜3分焼く。押しても縁から卵液がにじみ出ず、両面がきつね色になれば焼き上がり。皿に取り、残りの卵と野菜とバター5gで同じようにもう1枚焼く。

  5. 食パンをバターで焼く

    バター20gを8等分(1かけ約2.5g)に切っておく。フライパンの汚れをキッチンペーパーでふき、弱めの中火にする。バター1かけを溶かし、泡が落ち着いたら食パン1枚を入れて1〜2分、底がきつね色になるまで焼く。食パンを持ち上げてバター1かけを溶かし、裏返して裏も1〜2分焼く。残りの食パン3枚も、1枚につきバター2かけで同じように焼く(食パン2枚は26cmのフライパンの平らな底に並ばないので、1枚ずつ焼く)。バターが茶色く焦げてきたら火を弱める。

  6. はさむ

    焼いた食パン1枚にスライスチーズ1枚とハム1枚をのせ、熱い卵焼き1枚を重ねる。卵焼きの上にグラニュー糖8g(小さじ2)を全体に振り、ケチャップ17g(大さじ1)を細く絞りかける。もう1枚の食パンをのせて軽く押さえる。もう1個も同じように作り、半分に切るか、アルミホイルで包んで食べる。

マンチの思い出の屋台のように、甘いインスタントコーヒーと一緒にどうぞ。

料理科学:野菜の多い卵焼きを四角く焼く

卵は野菜をまとめる「のり」

この卵焼きは、卵より野菜のほうが多い配合です。卵のたんぱく質は、熱で固まって網の目のような構造を作り、その中に野菜を閉じ込めます。料理科学者のハロルド・マギーによると、卵白はおよそ62〜65℃で固まり始め、80℃前後でしっかり固まります。黄身はおよそ65〜70℃で固まります。

卵を多くすれば崩れにくくなりますが、フライパンの上で卵液が広がって、四角く整えにくくなります。万個のレシピに投稿されたレシピでも、卵を入れすぎると水分が多くなるので少しずつ加えるように、と注意しています。

野菜の水分と塩のタイミング

キャベツやにんじん、ねぎは、重さの大半が水分です。塩をすると、浸透圧で野菜の細胞から水が引き出されます。卵液に塩を混ぜてから野菜を入れ、すぐに焼くのはそのためです。置いておくとボウルの底に水がたまり、焼いたときに水っぽく、崩れやすくなります。

火加減は、マンチのレシピに合わせて中火にします。片面2〜3分ずつ焼くと、野菜から出る水分を飛ばしながら卵が固まり、縁がこんがりします。万個のレシピには、水分が多いので弱火でじっくり焼く、という投稿もあります。その場合は焼き時間を長めに取り、焼き色と卵の固まり方で見極めます。キャベツを2mm幅の細いせん切りにするのは、中火の短い時間で野菜までしんなりさせるためです。

料理科学:バターで食パンを焼く

焼き色はバターの乳たんぱく質と糖から

マギーによると、バターはおよそ80%が乳脂肪、15〜17%ほどが水分で、残りの1〜2%ほどが乳たんぱく質や乳糖などの固形分です。フライパンでバターを溶かすと、まず水分が泡になってはじけます。泡が落ち着くと温度が上がり、固形分とパンの表面でメイラード反応が進みます。たんぱく質と糖が反応して、焼き色と香ばしさが生まれる反応です。勢いよく進むのは、表面がおおむね120〜150℃を超えてからです。

トースターではなくフライパンで焼く理由

トースターは熱い空気と放射熱でパン全体を乾かしながら焼きます。フライパンでバター焼きにすると、熱い面に触れた表面だけが短い時間で色づき、中はふんわりしたまま残ります。厚い卵焼きをはさんでも、パンが乾いてぱさつきません。

一方、バターの固形分は焦げやすく、強火ではパンが色づく前に黒くなります。パンを焼くときは弱めの中火にし、バターが茶色く焦げてきたら火を弱めます。

屋台やお店による違い

  • マーガリンかバターか:マンチの思い出の屋台や、韓国の雑誌が紹介した専門店のように、鉄板にマーガリンを塗って焼く店があります。韓国系アメリカ人の料理ブログ「Korean Bapsang」も、韓国の屋台はふつうマーガリンでパンや具を焼くと書いています。この記事で読んだ家庭のレシピは、どれもパンをバターで焼いています(卵焼きは油で焼くものもあります)。
  • 具:野菜入りの卵焼きだけの素朴な形のほか、ハムとチーズを重ねるもの、ハムを刻んで卵液に混ぜるもの(万個のレシピの投稿)、マスタードを加えるもの(マンチのレシピ)もあります。Korean Bapsang は、屋台ではハムやチーズを足すことが多く、追加の具として選べることもあると書いています。
  • ソースとジャム:チェーン店では、店独自のソースを塗ります。万個のレシピの投稿には、パンにいちごジャムを塗る作り方もあります。
  • 野菜:キャベツが中心で、にんじんとねぎを加えるのが基本です。玉ねぎを加えるレシピもあります。

手に入りにくい材料の代用

ほとんどの材料は日本のスーパーで手に入ります。

  • 韓国の薄い食パン:8枚切りか10枚切りの食パンを使います。厚い食パンしかないときは、包丁で厚みを半分に切ります。
  • マーガリン:屋台の味に近づけたいときは、バターと同じ量のマーガリンで焼きます。

失敗したときは

  • 卵焼きが崩れる:裏返すのが早すぎるのが主な原因です。縁が固まり、底にきつね色の焼き色がついてから裏返します。幅の広いフライ返しを使い、小さく崩れた部分は上から押さえて戻します。
  • 卵焼きが水っぽい:塩をした野菜を置きすぎたのが主な原因です。野菜は焼く直前に卵液と混ぜ、すぐに焼きます。焼き色がつく前に裏返した場合も、中が生っぽく水っぽくなります。
  • パンが焦げる、またはべたつく:焦げるのは火が強すぎるためで、弱めの中火にします。べたつくのはバターが泡立っているうち(温度が上がりきる前)にパンを入れたためで、泡が落ち着いてから入れます。
  • パンばかりの食感になる:食パンが厚すぎます。8枚切りか10枚切りを使います。

焼いたばかりのフライパンとバターはとても熱いので、パンを持ち上げてバターを足すときは、手を近づけすぎないようにします。卵焼きは、押しても縁から卵液が出なくなるまで火を通します。

保存

キルコリ・トーストは作りたてを食べるものです。時間がたつと、卵焼きの水分でパンがしっとりします。

  • 作り置き:野菜を切って保存容器に入れ、冷蔵庫で前の晩から翌朝まで置いておけます。卵液と塩は、焼く直前に合わせます。
  • 持ち運び:屋台のようにアルミホイルで包みます。食べるのは作ってから1時間以内にします。

もっと知りたい人へ

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出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。